vol.3
2024年11月発行
今春3月高卒者の就職決定状況について、厚生労働省、文部科学省が実施した調査結果をお知らせします。求人数は全体的に増加し、コロナ前の水準にほぼ回復したと言えます。一方、大学や専門学校への進学意欲や政策的支援の増加により進学傾向が続いているため、求職者数は減少が続いています。
①令和5年度 求人・求職・内定状況(厚生労働省発表)
〇求人数
令和6年3月末における高校生への求人数は 48万2千人で、前年同期比8.7%の増加となりました。産業別では、コロナ禍の影響を大きく受けた「卸売業・小売業」、「宿泊業・飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」等で回復にやや時間がかかっていますが、求人数はすべての産業で増加しました。
〇求職者数
求職者数は12万1千人で、前年同期比で4.7%減少しました。高等教育の修学支援新制度など、国による政策的支援の増加などにより、進学率が上がっていると思われます。
〇求人倍率
求人倍率は3.98倍で、前年同期比0.49ポイントの上昇でした。全国レベルで見ると、産業が多い都市部と地域の差が浮かび上がります。最も高い東京(13.59倍)と最低の沖縄(2.11倍)では11.48ポイントの差があります。
〇就職内定状況
3月末の就職内定者数は約12万人(前年同期比4.8%減)で、就職内定者数は昭和63年3月卒の調査開始以来、最低を更新し続けています。また、内定率は99.2%で0.1ポイント減となっていますが、全都道府県での最低値は千葉県と沖縄県の96.8%で、すべての都道府県で高水準を維持しています。
求人・求職者数、就職内定状況についての詳細は、下のリンクから厚生労働省のサイトをご覧ください。
【厚生労働省】令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめ(令和6年3月末現在)
②令和5年度 就職状況の概要(文部科学省発表)
〇就職希望者数・就職者数等
文部科学省の発表によると、令和6年3月末の全国の高校卒業者は92万5千人(前年同期差43,000人減)、そのうち就職希望者は約13万人(同8,000人減)、就職希望率は14.0%(前年同期比0.2ポイント減)でした。
〇就職率
就職希望者のうち、就職した者は12万7千人(前年同期差7,800人減)、就職率は98.0%(前年同期比同)でした。就職率は平成20年、21年で一度減少したが、その後は上昇し続け、近年はほぼ横ばいです。
就職率を学科別に見ると、工業(99.5%)、水産(99.2%)、商業(98.9%)、福祉(98.9%)、情報(98.8%)、農業(98.7%)、家庭(98.4%)、総合学科(97.7%)、普通(95.9%)などとなっています。
都道府県別に見ると、就職率が高い県は福島・富山(99.9%)、福井(99.8%)、三重(99.7%)、秋田・和歌山・香川・広島(99.6%)の順。就職率が低い県は沖縄(90.7%)、神奈川(91.9%)、千葉(95.3%)、滋賀(95.7%)の順でした。
なお、就職希望者のうち卒業までに就職できなかった者は、約2千6百人(昨年同期2,800人)で、男女ともに1千3百人でした。
就職希望者・就職者数、就職率についての詳細は、下のリンクから文部科学省のサイトをご覧ください。